人は退屈を嫌う生き物

人間は普段危険に接することが少ないといえます。
朝早く起きて会社に行って、人によっては危険なものを取り扱う場合もあるかもしれませんが、大抵はデスクワークや商品販売など、致命的な仕事に関わり合うことのない仕事をすることが多いでしょう。
そして家に帰ればゆっくりと疲れを癒して、趣味に没頭する時間を作りつつ眠りにつく生活を送ることだと思います。
基本的には、こうした安定した一日を送る人が多いはずです。

とはいえ、ないものねだりをしたくなるのが人間というもので、安定した日常ばかりでは退屈になってくるのです。
だからこそ人は遊園地などのアミューズメント施設を訪れるし、旅行など見ず知らずの土地におもむいたりします。
ジェットコースターやお化け屋敷を利用して恐怖を体感したり、山や海などに行って程よいスリルを体感したり、そうして日常の退屈を癒すというわけです。

その手段の一つにバンジージャンプがあります。
ゴム紐を使って高台から降りていくアレです。
エクストリームスポーツの中では一番ポピュラーな物ではないでしょうか。

自然との一体感を楽しむ

遊園地のアトラクションとして設置されることが多くなりましたが、元々命綱を使って地面へと真っ逆さまに落ちていく肝試しはバヌアツ共和国の通過儀礼として用いられ、やぐらの上からツタを命綱として飛びおりるという、自然と一体化した儀式でした。
この通過儀礼を目の当たりにしたニュージーランド人が、スポーツのジャンルとして取り入れた時も、橋の上から川へと飛び込んでいく動作を基本として成り立っていました。
つまり自然ありきのアトラクションだったのです。

そう考えてみると、ジェットコースターのようなアトラクションとは違って、ジャンプすることで自然へと体を融け込ませていくための運動、と捉えたほうが、バンジージャンプの本質はよく理解できるかもしれません。
高い所から体を投げ出して、鳥のごとく地面へと真っ逆さまに降りていき、ゴムが伸び切ったら空の上で反動の力を楽しむことができます。
恐怖心に打ち勝つ、あるいはスリルを楽しむためのアトラクションだと考えられがちだが、実際は人間が普段感じづらい重力や弾力といった自然の力、あるいは鳥や虫が感じている爽快さなどを思い描くための動作なのかもしれず、バンジージャンプの楽しさもそこにあると言っても過言ではないでしょう。

最大321m

日本では77メートルの高さから飛び降りるものが一番の記録となっているが、世界は広いもので、高いもので、100メートル、200メートルの高さから飛び降りる施設がザラにあったりします。
滝へと真っ逆さまに降りていく場所もあれば、渓谷へと飛んでいく場所もあり、ロケーションも様々で
す。
ちなみに、世界一の高さは321メートルの崖の上に建っている施設があります。
東京タワーの標高がおよそ333メートルと考えると、その危険性、スリルがうかがい知れるというものでしょう。
それだけの高さから飛び降りてまで何かを味わいたいというのだから、人間の中には重力や飛びおりていく時に感じる風を求める衝動があるのかもしれませんね。
流石にこの高さは勇気がいるでしょうが、あなたも身近にあるバンジージャンプの施設を訪れて、その楽しさを味わってみてはいかがでしょうか。