練習場所は地元の公園

父親に勧められ、5歳でスケートボードを始めた白井選手は、幼い頃にはスケボー一筋で時間が許す限り滑っていました。
7歳で既にスポンサーが付き、熱心なコーチの元で厳しい練習にも耐え抜いてきました。
2018年に開かれたスケートボードの世界大会「Damn Am Japan」で初優勝し、その名を世界に知らしめました。

2019年のストリートスポーツの世界大会「ARK LEAGUE」でも優勝を果たし、その後も名だたる世界大会で好成績を残しました。
2020年2月には、左ひざの前十字靭帯を断裂するという大ケガを負いましたが、手術とリハビリを経て同年秋には練習を再開しました。
しかし東京オリンピックでは、世界ランク3位という実力を持ちながらも、惜しくも9位で予選敗退となってしまいました。

そんな白井選手の幼いころの練習場は、家の近所にあるニュースポーツ広場でした。
そこには世界大会規模とは言えないものの、スケートボード用のバンクがあり、オリンピックに出場が決まった年まで毎日のように通っていたと言います。

神奈川県内に屋内のパークを作りたいと、同じくスケートボーダーの池慧野巨と共にクラウドファンディングで資金を集め、2020年に寒川町に「THE PARK SAMUKAWA」を建設しました。
設計も自らが携わり、ボードが弾きにくいコンクリート製で屋内の練習場を作りました。
世界レベルの練習が出来るとスケーターの間で話題になっており、現在の白井選手の練習場所にもなっています。

同年代のプロスケーター達がスケートボードの本場であるアメリカを拠点にしていく中で、白井選手は日本を拠点にする事を貫いています。
「英語も得意ではないし、海外は落ち着かない」と話す白井選手には、心強い練習のパートナーがいます。
BMXの世界大会で11回タイトルを獲得した内野洋平さんは「THE PARK SAMUKAWA」のオーナーであり、白井選手の良き理解者でもあります。
白井選手は、先輩である内野さんから目標設定や練習のルーティン内容の大切さを学んだと言います。

白井選手の得意技

白井選手はダイナミックな技を得意としており、自身の名前が付いたオリジナルトリック「ソラグラインド」を持っています。
これは他の人と同じ事を絶対にしたくないという彼の強い意志から生まれたもので、180℃回転しながらカーブにノーズグラインドをかけるトリックになります。
また、2つの技を組み合わせたトリック、「アーリーウープF/Sノーズグラインド」や「バックサイド360ビガースピンキックフリップ」を得意としています。
あらゆるトリックを巧みに使い、強気に攻めていくのが彼のプレースタイルです。