まるでスパイダーマン!刺激的なビルダリング

「ビルダリング」とは、高層ビルなどの建物の外壁を、フリークライミングの中でもフリーソロという手法で登っていく「アーバンクライミング」を意味する言葉です。
アーバンクライミングを行う人をアーバンクライマーと呼び、彼らはまるでスパイダーマンのように、ロープなどを使わず素手で登っていきます。
命知らずと言われる一方で、刺激を求めるアーバンクライマー達は、とにかく高い場所を求めて世界中の有名高層ビルを登攀することに挑戦し続けています。

ビルダリングはエクストリームではありますが、ボルダリングのような競い合うスポーツというよりは、信じられない高所へ登るというパフォーマンスの類です。
ビルダリングで世界的に有名な人と言えば、スパイダーマンの異名を持つフランス人のフリークライマー、アラン・ロベール氏が浮かぶのではないでしょうか。
彼はフランス・パリでもエッフェル塔をはじめ、モンパルナスタワーなど、数々の建造物の登攀に成功しています。
アジアでは、香港で62階建て高層ビルや台湾の台北101も登頂を果たし、実は日本でも彼は果敢にも新宿センタービルに挑戦し、屋上で逮捕されています。

フリークライミングとフリーソロの違いとは?

フリークライミングとフリーソロは同じだと勘違いしている人も少なくありません。
実は、フリークライミングとは一般的なクライミングに用いられる手法で、安全確保のためにロープを使用するものの、クライミングエイドというわけではなく、ロープに頼ることはありません。

フリーソロとは、命綱もなく、手と足だけで高層ビルやタワーに挑む、完全なるフリーな状態で登っていくクライミングです。
ロープ1本の安全確保の手段もありませんので、ミスをすれば命取りになります。
そのため、高い身体能力と経験値はもちろんのこと、強靭な精神力と度胸、そしてどんなときも冷静に判断できる判断力が必要となるのです。
似ているようで異なる手法となるため、フリークライミングとフリーソロを混同しないようにしましょう。

セルフィーによるビルダリング動画も話題

近年、スマホのセルフィーによるビルダリングの動画も大きな話題となっています。
一歩間違えれば転落して命を落とす可能性があり、映像を見ているだけでこちらが足がすくむ思いをしてしまうほど、命がけのパフォーマンスです。

もちろん、すべてのアーバンクライマーがすべての登攀に成功しているワケではありません。
中には挑戦はしたものの、失敗して転落し、死亡したというクライマーも大勢おられます。
それでもビルダリングは世界で愛され、チャレンジ精神を持った人々が今も挑戦し続けています。