ウェスタン馬術から派生したロデオ競技

かつてアメリカ映画では、カウボーイが登場する西部劇が大人気でした。
馬を自在に操って荒野を駆け抜けるたくましい男性は、みんなの憧れ。
ジーパンにウェスタンシャツ、テンガロンハット、ワイルドで男臭い独特のファッションも魅力です。
現在でも、アメリカといえばカウボーイというイメージを抱いている人が多いのではないでしょうか。

カウボーイとは馬に乗って野生のバッファローを捕まえたり、捕まえたバッファローを移送したりするのが仕事です。
人馬一体となる優れた馬術テクニックを持っています。
そして、カウボーイの姿を彷彿とさせるのがウェスタン馬術です。
また、ウェスタン馬術から派生したロデオ競技も有名です。

暴れ馬を御する命がけの競技

ロデオ競技というと、暴れまわる馬を乗りこなすというイメージが強いですが、ロデオ競技には暴れ馬に乗る以外にもさまざまなものがあります。

しかし暴れる馬や逃げ回る牛を取り押さえるなど激しい競技ばかりで、民衆を熱狂させるエクストリームスポーツといえるでしょう。

ロデオにはさまざまな種目がありますが、大きくラフストックとタイムイベントの2つに分かれます。

ラフ・ストックは、暴れまわる牛や馬を乗りこなす競技です。
鞍をつけていない馬に乗るベアバック・ライディング、鞍をつけた馬に乗るサドル・ブロンコ・ライディング、暴れる牡牛に乗るブル・ライディングの3つの競技がありますが、いずれも8秒間乗っていなければいけません。
8秒以下では失格となり、8秒経ったらすぐに馬や牛から降りる必要があります。
競技では騎乗者の乗りこなし振りと、馬や牛の暴れっぷりが採点されます。
暴れまわる馬や牛に乗るのは非常に危険で、競技で命を落とす選手もいます。
まさに命がけのエクストリームスポーツなのです。

タイムイベントは、速さを競う競技です。馬上から逃げる牛に飛びつき、首をひねって牛を倒すスピードを競うスティアー・レスリング、馬上から子牛に縄をかけて馬から降り、子牛の足を縛るまでの速さを競うタイダウン・ローピング、二人が1組となって、子牛の頭と後ろ足に縄を掛ける時間を競うチーム・ローピング、女性専用競技として行われるバレル・レーシングがあります。

一口にロデオといっても、このように様々な競技があり、暴れる馬や牛と格闘する危険なスポーツです。
現在、職業としてのカウボーイは少なくなりましたが、優れた馬術や巧みなロープ技術などカウボーイの技が、ロデオに受け継がれています。
アマチュアがお祭りや大会などに出場するケースも多いのですが、主流はプロの選手がによる競技です。
アメリカ各地でプロの大会が開催されており、シーズンで最も多く賞金を獲得した選手がチャンピオンとなります。
アメリカ開拓時代から続くカウボーイ文化を色濃く伝えるロデオ競技、アメリカを訪れたら観戦してみてください!