スカイランニング
空へと駆けろ!スカイランニングとはどんなスポーツ?
スカイランニングは主に山岳を舞台に、山頂を目指して駆け登るダイナミックなランニングです。
その名の通り、空に最も近いランニング競技といえるでしょう。
国際スカイランニング連盟では、「FAST&LIGHT(速く、軽く)」をモットーにした快速登山と定義しています。
具体的には、傾斜30%以上の急勾配を含むコースで、難易度の高い岩場などを除く山岳エリアで行われます。
ストックやアイゼン、急斜面では手を使って進むこともあり、ヘルメットなどの着用が必要なコースもあります。
スカイランニングは平らなフィールドではなく、高低差のあるルートを走ります。
そのため走るテクニックよりも、駆け登る、駆け降りるテクニックが求められます。
コースは標高2000メートル以上の高山が選ばれることが多く、ここも平地を走る陸上競技とは異なるスポーツであることが分かります。
ただし、標高2000メートル未満の山でも傾斜30%以上の急勾配があるなどの条件を満たしていれば、スカイランニングとして認められています。
多様なフィールドと競技種目
スカイランニングは山岳、雪上のほか、高層ビルの階段でも行われる、多様な競技種目が魅力です。
山岳で行われるスカイランニングでは、中距離レースの「SKY」と長距離レースの「SKYULTRA」、そしてひたすら駆け登る「VERTICAL」の3種目が、世界選手権や日本選手権で実施されています。
SKYは累積標高差1200メートル以上、距離20キロ~45キロのコースを駆け抜け、SKYULTRAはさらに過酷な累積標高差3000メートル以上、距離50キロ~80キロのコースに挑戦します。
VERTICALは平均傾斜20%以上の急坂を一気に駆け上がる、まさに垂直マラソンと言えるでしょう。
雪上で行われる「SKYSNOW」は、特殊なクランポンを装着して雪山を駆け抜けるスリリングなレースです。
一方、都市部で開催される「STAIRCLIMBING」は、高層ビルの最上階を目指して階段を駆け上がります。
山岳ではなく、都会の摩天楼を制する垂直マラソンです。
過去には「SKYSPEED」と名付けられたスプリントレースや、自転車とスカイランニングを組み合わせた「SKYBIKE」、複数のスポーツを組み合わせた長距離チーム戦「SKYRAID」といったユニークな種目も開催されていました。
世界で活躍する日本人スカイランナーたち
スカイランニングは山岳や雪上などさまざまな競技があり、多彩な選手が活躍しています。
国内では全日本スカイランニング選手権が有名で、世界的な大会である「世界選手権」「ユース世界選手権」「マスターズ世界選手権」の選考も兼ねています。
また、マスターズ世界選手権は40歳以上に限定されており、2024年には66歳の内田正直選手をはじめとする9名が日本代表として参加し、話題を呼びました。