「空のF1」三次元モータースポーツ

「エアレース」とは、数多くのエクストリームスポーツを開催しているレッドブルが行うイベントの1つです。
「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」が正式名称で、最高時速370km、最大重力加速度12Gの中で競い合う、空のF1とも称される世界最速の3次元モータースポーツです。

世界でもトップレベルのレースパイロットが参加し、各々の持つ飛行技術を披露します。
エアレースに挑むには、操縦技術の正確さはもとより知力や体力も必要となりますので、持てる力の限りを尽くしてコンマ単位で飛行タイムを競う究極の空中戦レースと言えるでしょう。

エアレースの大会では、高速飛行が可能で機動性の高いレース仕様の飛行機に乗り、高さ25mのエアゲート(パイロン)が設置された空中コースを、ペナルティが課されないよう周回してその時間を争います。
ギリギリをせめぎ合う空中競技となるため、ルール違反も誘発しやすくなります。
中でも気をつけたいルール違反は、スタート時の進入速度を規制するエントリー速度違反、最大重力加速度を制限するオーバーG、パイロンへの接触ミスであるパイロンヒットの3点です。

エアレースの開催から発展の歴史

エアレースは、2003年に開催されたオーストリアでの飛行機ショーが始まりとされています。
2005年にはワールドシリーズに発展し、世界中でレースが開催されるようになり、その数100戦近くになるそうです。
2011年から一時期中断されていましたが、安全面など運営やルールを見直した後、2014年に復活を遂げ、2017年には室屋選手がアジア人で初となる輝かしいワールドチャンピオンになります。

2015年以降は千葉の幕張で5年連続で大会が開かれたこともあり、それがエアレースの知名度を押し上げた要因となっています。
エアレース人気により日本のスカイスポーツに関心を持つ人口が増加、エアレースが航空産業に大きな影響を与えたと言っても過言ではないでしょう。

2019年千葉幕張大会でラストフィナーレ

日本でも多くのファンを持つエアレースですが、残念なことに2019年の千葉幕張大会を最後に打ち切りとなっています。
日本では室屋選手というヒーローが誕生したこともあり、千葉大会は大盛況と言える結果です。

スポーツ・エンターテインメントとして日本で大きく飛躍を遂げたエアレースでしたが、世界全体で見ると千葉幕張ほどの盛り上がりに欠け、集客が芳しくなかったことが原因です。
惜しまれながらもエアレースはラストフィナーレを迎えてしまいましたが、いつの日かまた世界のどこかで開催される日が来るかもしれません。