いす-1グランプリについて

いす-1グランプリは、商店街の中をキャスター付き椅子に座って駆け抜けてゴールを目指す競技であり、2009年から開催されています。
京都市京田辺市のキララ商店街では、事務用の椅子を使った耐久レースが行われており、それがいす-1グランプリです。

レースは2時間耐久で行われ、1チーム3名で交代しながら1周約180メートルのコースで周回数を競います。
使用するのは市販の事務用椅子のみであり、装飾を施すのは自由ですが、キャスターなどを補強するのは違反です。
レース前にはしっかりと車検も行われ、違反がないか調べます。
ただしレース中にキャスターが壊れた場合は交換が出来ます。

見た目やイメージよりも相当過酷なレースであるために、大会が近くなると参加選手はトレーニングを行います。
スクワットなどの筋力トレーニングを行い、毎回大会に出場しているチームは戦略も考えます。
使用する椅子も軽量で小回りのきく椅子を探すなど、念入りにマシン探しも行います。

こうして実際にレースが行われると、戦略がマッチし見事入賞するチームや、早々とマシンが壊れて撤退するチーム、体力不足で動けなくなる選手、キャスターが壊れて外れてしまい転倒する選手など、バイクなどの耐久レースに劣らないドラマが数々生まれます。
このレースは有名になったので、コクヨなどのメーカーが参戦したり、日本テレビからチームで参戦するなど、多くの方が大会に出ています。

レース開催のきっかけ

いす-1グランプリが生まれたのは、今とは違うキララ商店街でシャッターが下りているのが目立つ次期、店主らが集まって活性化できるイベントをと話し合い考えたのが始まりであり、誰でも参加できる身近にあるものを使って、などと考えていました。
話し合いが深夜まで続いたときに、何を思ったか一人が椅子に座ったまま商店街の路上に飛び出しました。
それにつづけとまた一人また一人と路上に飛び出すと、夢中になって椅子を漕ぎ、面白いと言うことでレースが誕生します。

数日後に市役所に行ってレースのことを話すと、思いの外担当者の反応は良く、すぐに警察からの路上使用許可も出て、レースのネーミングもF1にちなんでいす1としました。
そして1ヶ月後にレース参加募集を行い、32チームが集まり、第1回大会が開催されます。
レースが終わると、問い合わせの電話が殺到するほど盛況となり、今や日本中で有名なレースとなります。
そして、他の地域でも活性化しようと取り入れたり、面白そうだからやってみようなど、各地で開催が計画されています。
今後も毎年キララ商店街で開催されていくことでしょう。