バックボーンはアルペンスキー選手

平林選手の父親は、ワールドカップにも出場経験のあるアルペンスキー選手です。
その影響で平林選手自身もアルペンスキーの競技をしていましたが、ある時、雪のない夏用のトレーニングとして自転車を始めました。

マウンテンバイクの練習は小学5年生の頃から本格的に始め、中学高校ではアルペンスキーとマウンテンバイクを両立していました。
しかし高校卒業と同時に、オリンピックを目指してマウンテンバイクに専念する事を決め、2016年にプロに転向しました。
そこから4年間はSpecialized Racing Japanに所属します。

ジュニア時代の大会成績としては、2012年に全国小中学校マウンテンバイク大会で初優勝、2014年のマウンテンバイククロスカントリー全日本選手権/ジュニアクラス、及びアジア選手権で優勝、2015年の国内シリーズ選手権/ジュニアクラス シリーズチャンピオンなどとなっています。
この頃には、大会で時差をつけて先にスタートしたエリートクラスの選手を全員追い上げるなどチャンピオンとしての存在感を発揮していました。

2016年から全日本マウンテンバイク選手権U23において、4連覇を果たしました。
2020年にはエリートクラスに昇格し、機材の見直しや走り方の研究という目的から、同じ地元長野県のTEAM SCOTT JAPANに移籍しました。
平林選手は北アルプスで有名な長野県北安曇郡白馬村出身で、プロ選手になってからも白馬村を活動拠点にしていました。
長野県は山岳地帯が多いという事もあり、強靭な脚力を作りやすいとされ、日本一マウンテンバイク選手が集まる土地とも言われています。

目指すは世界のトップ

平林選手が活躍するマウンテンバイクのクロスカントリー競技では、脚力はもちろん必要ですが、バランス感覚も非常に重要です。
そして、転倒に対する恐怖心への耐性もなくてはなりません。

平林選手は小学生の頃から自転車競技に触れていた事もあり、トルクフルで力強い走りが強味です。
標高差1000mというヒルクライムトレーニングを日々行っているので、強い脚力が身に付くのです。

レースで乗車しているバイクは、平林選手の憧れであり、世界王者であるニノ・シューター選手と同様のSCOTT RC900 WORLDCUP AXSです。
重心が低く作られており、操作しやすい剛性が確保されています。
トラクション性能も非常に高く、クロスカントリー走者の誰もが憧れるバイクであり、勝利に最も近いマウンテンバイクであると言われています。
世界最強の機材を手にした平林選手は、その機材がなぜ最速なのか日々確かめながら、更なる高見を目指して鍛錬を続けています。