女子スケボー界の新鋭

西矢選手は、2歳年上の兄の影響で6歳の時にスケートボードを始めました。
その5年後、11歳の時には全日本アマチュア選手権のレディース部門で3位入賞という好成績を残しました。
翌年全日本アマチュア選手権でも3位、その翌年には世界最高峰の大会「X‐Games」で準優勝という成績を納めました。

2021年に行われた東京オリンピックでは、ストリート部門で金メダルを獲得という快挙を成し遂げました。
13歳11ヶ月のこの記録は、これまでの記録を塗り替え史上最年少での金メダル獲得ともなりました。
インドのメディアには「13歳が世界を支配した!」と称賛、AFP副支局長は「日本スケードボード界は快進撃を遂げる!」と活躍を称えるなど、世界を驚かせました。

西矢選手のプレイや練習場

西矢選手のプレイは、安定した滑りとダイナミックな技が持ち味です。
得意技はボードの車輪の金具をレールに掛けて滑る「バックサイドスミスグラインド」と、体ごと180℃回転する難易度の高いトリック「リップスライド」です。

西矢選手は父親と一緒に、SNSにあげられている動画などを見ながら技を研究しています。
日本にはスケートパークの数が海外よりも少ない分、練習場のバリエーションを求めて父親の車で日本中のパークを巡っていたそうです。

ただスケボーが好き

東京オリンピックで金メダルを獲得した西矢選手ですが、「優勝は狙っていなかった」と言います。
「とにかく最後まで楽しく滑る事だけを考えていて、やりたかった技に成功した時には純粋に嬉しかった」とも話します。
10代、20代が中心に活躍するスケートボード界の中でも若手の西矢選手は、オリンピックへの出場を通して諦めない事の大切さを学んだと言います。

スケボーの楽しさは、「言葉が通じなくても海外の人と仲良くなれる事」だと言う西矢選手は、自分の武器はスケボーを楽しんでいる所だとインタビューに答えていました。
とにかく楽しいから滑っているので、彼女にとっては同年代のスケーター達もライバルという認識はありません。
勝ち負けにはこだわらず、他の選手が新しい技を繰り出したら尊敬し、自分の技が成功して称賛されたら喜ぶ、そんな素直な姿勢は中学生ならではなのではないでしょうか。

現在も絶賛成長期真っ只中ですが、今後身長が伸びたり、体つきが変わってくると体の軸が変わり技にも影響が出てくる可能性があります。
そんな状況でも、「大きなセクションに挑戦できるから嬉しい」と西矢選手は常に前向きです。
これからの目標は、「海外でさらに活躍する事」、いずれは海外を拠点に活動する事も考えているようです。
どこにいても「自分らしく楽しみながら滑る」そのスタイルを貫いていくでしょう。